絶望王子

  我が家の家族は寝起きが非情に悪い。非情に、と書いたのは察して欲しいから。

  朝一番に起きるのは僕である。だいたい午前4時半くらい。理由については他に譲るとして、5時半に娘を起こし、6時に奥様を起こし、6時45分に息子を起こす。

  だいたい誰もが寝起きが悪く、起こした僕に対して悪態をつく。さんざん悪態をついてやっとこさ起きるのであるが、一番寝起きが悪いのが、

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  息子である。

  まあ、色々な理由を付けて寝続けようとする技は感嘆に値する。
  そして起きてから色々な理由をつけては人生に(朝から)絶望しているのは息子である。絶望王子とは彼の事である。

  朝から飲み物がちゃぶ台に出ていないと絶望する。
  洋服に気に入った物がないと絶望する。
  気分にあった朝食がないと絶望する。
  宿題をやり忘れたら絶望する。

「も、だーめだっ」
が、朝の彼の常套句である。何もかもに絶望している。へたをすると学校に行かないんじゃないかというような勢いである(しかし、今の所無遅刻無欠席)。

  これは僕に似てしまったのだろうか。

  些細な事で絶望し、世の中を斜に見る。

  毎朝起こしている僕が、まるで昔の自分を見ているみたいで、もの凄く怖い。

  ダメ人間をまた一人作ってしまったようで……。 

  息子が絶望王子なら、すると僕は……絶望王??

自己同一性の乖離

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  自分が何者なのか、何をしたいのかわからない。

 

アイデンティティがない 生まれない らららら

アイデンティティがない 生まれない らららら

 

好きな服はなんですか? 好きな本は? 好きな食べ物は何?

そう そんな物差しを持ち合わせている僕は凡人だ

 

映し鏡 ショーウインドウ 隣の人と自分を見比べる

そう それが真っ当と思い込んで生きてた

 

どうして 今になって 今になって そう僕は考えたんだろう?

どうして まだ見えない 自分らしさってやつに 朝は来るのか?

Om1-53

  いい歳ぶっこいて、僕は何をやってるのだろう?

Birthday boy

  今日は息子R氏の誕生日だ。11歳。時が過ぎるのは速い物だとつくづく思う。光陰矢の如しとはこの事だ。と、きっと来年の今日も(ブログが続いていれば)書くだろうし、この後に控えている娘の誕生日にも書くだろう。なぜならこの台詞を今まで何度ブログに書いて来たか自分でも解らないくらい書いてきたからだ。

  ともかく、今日は息子の誕生日だ。

  昨日、ボスに明日代休を取りたいと言ったら、先輩のS君も今日休みを取っていたにも関わらず(つまり、僕が休みを取ったら事務所にはボス一人になってしまう)気持ちよく休みを取らせてくれた。有り難い話である。

 

  と、言う訳で、今日は息子と朝から一緒に遊ぶ事にした。遊ぶと言っても、特に息子のリクエストも無かったので、ちょっと悩んだけど、息子の好きなSR君を引っぱり出してプチツーリングに行く事にした。

  出発するまで、何処に行こうというのを決めていなかったのだけれども、まあ、SR君が行きたいという方へ進んでいくと、ここへ着いてしまった。

 

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  角を曲がるとどーんとこれが出てきたので、息子も後ろで「うおー」と叫んでいた(わざとずっと見えない道程で来たのだ)。実は僕自身も、小学校の社会科見学で来た以来なので、ちょっとワクワクしていた。だいたい地元の観光名所には地元民は行かないモノなんだよね。

 

  チケットを買ってさっそく展望室へ。ちょっと奮発して地上250mの特別展望台のチケットも買った。スカイツリーが昨今の話題なのに、あえての東京タワーである。高所恐怖症の僕でも興奮した。恐らく僕自身特別展望台は生まれて初めての経験である……が、特別展望台の感想は「狭い」意外は特にこれと言ってなかった。曇っていたので見晴らしがあまり良くなかったのも原因だろう。

 

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  気を取り直して第一展望台へ。ここは一部がガラス張りになって下を見れる。「落ちはしない」と頭で理解していても、本能的にここへ近づくのを避ける自分が解った。R氏は「怖い怖い」と言いながらもガラスの上に乗っていた。素晴らしい勇気だ。別に羨ましくはないけど。

 

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  東京タワーに別れを告げた後は昼食を摂る事にした。「何処で食べたい?」と聞くと、「ひつじCafe」と答えた。実はR氏はひつじCafeに行った事が無い。娘や僕の話を聴いて、一度は行ってみたいのだという。と、言う事で、SR君は一路都立家政のひつじCafeへ。

 

  いつも通りマスターは暖かく迎えてくれて、昼食を摂る事にした。メニューを見る前に息子に、「オムライス、むちゃくちゃ美味しいよ」と行ったら、「じゃあ、それにする」との事。その一部始終を見ていたマスターは申し訳なさそうに、「実は、季節モノだからもう、メニューから落としたんだけどね」と言った。「え?」と思ってメニューを見ると、確かに載っていない。「でも大丈夫、出来るよ」と、特別に(?)作って頂いた。

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  出来上がって一口食べるや否や、息子が、

「なんだこりゃ。マジ美味ぇ」

  スープを飲んでも一言。

「やっべえ、美味ぇ」

  と、あっという間に平らげてしまった。「ご飯もほのかにバターの香りがして、美味ぇよパパ」と、お前は美食アカデミーの人間か? っていうような感想をR氏は漏らしていた。

 

  食後にコーヒーを頂いて、いつものように豆も200g頂いて、しかも紅茶好きの娘の為に、紅茶関連のDVDまで頂いて家路に着いた。今日のプチツーリングは終了だ。

 

  SR君を駐車場に置いて、今日の感想をR氏に聞くと、

「いや、あのオムライスのソース、めちゃくちゃ半端ないって」

「グラタンとオムライスのコラボみたいで、めちゃくちゃ美味いって」

  おいおい、東京タワーは君の記憶から消えてしまったのか? と思って聞くと、

「ああ、楽しかったよ」

  と、意外とあっさり。結局、誕生日ツーリングは、ひつじCafeのオムライスに喰われてしまったカタチだ。いや、息子はオムライスを喰らったんだけどね。

 

  家に着くと息子はすぐに外へ遊びに行って、僕は家で待っていた娘と、ひつじCafeでもらったDVDを鑑賞する事にした。娘は「マスターからだよ」と言うと、もの凄く喜んでいた。そして、DVDを鑑賞しながら僕と娘は同時に叫んだ。

「なっ!! ダージリンって中国葉だったのかっ!!」